交渉とは
交渉とは、複数の個人(もしくは、団体)が話し合いで、問題解決のための合意点を探す過程のことをいいます。
交渉は、対面で行われることも多いですが、電話やFAX、インターネット通話やメールを使って行うこともよくあるようです。
例えば、電気店で、「もうちょっと値下げしてくれないか?」と持ちかけて、ポイントをサービスしてもらったり、値下げしてもらうのも交渉ですし、労働組合が経営者側に賃上げの要求書を提出して話し合うのは賃上げ交渉と呼びます。
交渉はビジネスシーンだけでなく、日常生活にも溢れています。
交渉の落としどころ(合意点)としては、最近よくいわれる「win-win(ウィンウィン。
自分にも相手にもメリットがある状態)」、「win-lose(自分だけが利益を得る)」、「lose-win(相手だけが利益を得る。
相手に利益を譲る)」、「lose-lose(自分も相手も損をする)」、「give-and-take(与える代わりに見返りを得る)」、「give-and-given(相手に与え、相手からも与えられる)」などがあるでしょう。
弁護士で大阪府知事の橋本 徹さんは、その著書「最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術―かけひきで絶対負けない実戦テクニック72」で、交渉について、「交渉とは不満足の分配作業だ。
」、「交渉とは相手側だけでなく、味方の決定権者に対しても細心の注意を払って進めていく。
」と述べています。
交渉力養成講座
交渉力養成講座は、1日~3日くらいの割と短時間で学べるカリキュラムを組んでいるビジネススクールが多いようです。
費用としては、1日の交渉力養成講座で15,000円~35,000円くらいがおおよその相場。
そんなに安くはないと思いますが、すぐに定員が埋まる人気講座なのです。
それだけニーズが高いのでしょう。
通学式の交渉力養成講座に通うメリットは、なんといっても、ロールプレイングによる実習ができること。
理論だけではどうしても身につきづらいですから、実習できる機会は貴重ですよね。
ところで、交渉アナリストという資格があるのをご存知でしょうか?交渉アナリストは、ビジネスにおける交渉力を証明する民間資格(NPO法人日本交渉学会が認定)で、履歴書に書ける資格として、交渉アナリスト2級、交渉アナリスト補、交渉アナリスト1級があります。
交渉アナリスト2級を取得するためには、38,000円(税込)の教材を購入して、三冊のテキストを二ヶ月に一冊の割合で学んで、添削レポートを提出し、一回の得点が60点以上、三回合計200点以上で合格です。
交渉アナリスト補は、交渉アナリスト2級を取得した上で、2009年11月から実施される交渉アナリスト認定実技研修を終了すると取得できます。
交渉アナリスト1級は、この両方の資格を取得し、課題レポート、ケース分析テスト、認定面接に合格すると取得できるそうです。
交渉術を体系的に学ぶことができますし、目標があるとやる気が出る人にはいいと思います。
交渉力
交渉力は仕事でもプライベートでも、なくてはならないスキルです。
ところが、日本では成人するまでに交渉力を育てるような教育を受ける機会が少ないため、交渉力がない人も少なくありません。
交渉力は後天的に身につけることのできる能力です。
自分には交渉力がないなあと思ったら、積極的に交渉力を身につけられるように努力しましょう。
まずは、自分にどのくらい交渉力があるのか、「交渉力テスト」を使って調べてみてください。
この交渉力テストは、東京大学公共政策大学院特任准教授の松浦 正浩さんのサイト「交渉学と合意形成」で行うことができます。
他にも、交渉学講座や交渉についてのコラム、用語集など、勉強になるコンテンツがたくさんあるので、オススメのサイトです。
さて、交渉力テストで自分の交渉力がどんなものか自覚したところで、交渉力の勉強方法ですが、最も手軽で安上がりなのは、交渉力に関する書籍を買って独学で学ぶこと。
通信講座やeラーニングの交渉力講座で勉強するという方法もあります。
一日や二日で学ぶことのできる交渉力向上セミナーや講座もあるので、参加してみるのもいいかもしれません。
交渉力を向上させるための知識・理論を身につけたら、日常生活で練習しましょう。
日常生活でも、交渉の機会はたくさんありますので、簡単なところから試して、徐々に仕事でも使っていくようにすると、少しずつ交渉力が向上していくと思います。
交渉力のある人は、話し方や相手に与える印象でさえ、交渉に有利になるように工夫するのだとか。
そこまでできるようになれば、交渉の達人レベルかもしれませんね。