失業保険 不正受給
失業保険を不正受給する、もしくは、不正受給しようとすると、現実に支給を受けたかどうかを問わず、「支給停止」、「返還命令」、「納付命令」の処分が行われます。
支給停止は不正をした日から失業給付を受ける権利がなくなり、一切支給が行われないことです。
返還命令は、不正な行為によって支給を受けた金額を全額返還しなければならないという命令になります。
納付命令は、返還命令に加えて、直接不正の行為により支給を受けた金額の二倍に相当する金額以下の金額の納付を命令されます。
つまり、失業保険を不正受給すると、三倍返しになってしまうのです。
その命令に従わなければ、延滞金が課されて、それでも支払わないと財産の差し押さえをされることもあります。
不正が悪質の場合は、詐欺罪で告発されることもあるかもしれません。
不正行為に事業主がかかわって偽りの届出や証明をするなど不正受給を助けたりそそのかすと、事業主にも連帯納付命令が発せられます。
具体的な不正受給例としては、「求職活動の実績がないのに、失業認定申告書に虚偽の申告を行う」、「アルバイトやパート、日雇いなどの就職や就労、自営の開始などを失業認定申告書で申告しない」、「内職などの手伝いを行った事実や収入を隠したり、偽った申告をする」、「実際には就職する気がなく、失業給付の期間が終了したら年金をもらおうと思っているのに、失業認定申告書により偽りの申告をする」などです。
失業保険の不正受給は、自分では上手くやったつもりでも、第三者からのタレコミや次の就職で雇用保険の被保険者になった際の日数のズレ、確定申告(アルバイトでの源泉徴収)などでバレてしまいます。
失業 必要な手続き
失業後に必要な手続きとしては
・健康保険に関する手続き
・年金に関する手続き
・税金に関する手続き
・失業保険に関する手続き
があります。
健康保険に関する手続きは、体調を崩した時や不慮の事故に遭った時のために早めに行う必要があります。
医療保険への加入は強制なので、保険料がもったいないから加入しないというわけにはいきません。
被保険者期間が二ヶ月以上あれば、退職後二年間は会社の健康保険が使用できる「任意継続被保険者制度」を使うこともできます。
ただし、退職した日の翌日から二十日以内に手続きすることと、保険料を自分で全額支払う必要がありますから、判断は慎重かつ迅速に行ってください。
任意継続すると、医療費の自己負担が在職時のままで済んだり、会社の保養所を利用できるなどのメリットがあります。
任意継続しない場合は、国民健康保険に加入しましょう。
医療費の自己負担は三割で、支払う保険料は前年の収入や住んでいる自治体によって異なります。
国民健康保険への加入手続きは、居住地の行政センターに印鑑、離職票などの退職証明書、身分証明書を持っていってください。
次に、年金に関する手続きです。
失業すると大抵は厚生年金保険から国民年金保険に変更する手続きを自分から窓口に出向いて行わなければいけません。
奥さんがいれば、奥さんの分の手続きも必要です。
税金に関する手続きについては、確定申告をしっかり行って、納めすぎた税金を返してもらいましょう。
ある日突然、住民税の請求が来ることも覚えておいてください。
失業認定申告書
失業認定申告書は、求職しているとハローワークにアピールするために提出を義務付けられる書類です。
離職し、ハローワークで求職の申込みと離職票を提出すると、受給説明会の日時を知らされます。
受給説明会に行くと、雇用保険制度の説明の後、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書、第一回目の失業認定日を教えられるのです。
原則として、四週間に一度、失業認定(失業状態にあることの確認)を行います。
ハローワークがいうところの「失業」は、一般の概念とは異なり、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」ということを指すのです。
最初の失業認定日までに一回の求職活動、その次の失業認定日までに原則として二回以上の求職活動を行った実績がなければ、基本手当の支給を受けられません。
求職活動を行った実績とは、「求人への応募」、「ハローワークが行う職業相談や職業紹介等を受けたこと、各種講習、セミナーの受講」、「再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験」などが上げられます。
ハローワークや新聞、インターネットなどで求人情報を閲覧したり、知人に就職の紹介依頼をするだけでは、求職活動とは認められないので注意が必要です。
待機日が終わり、失業認定を行った日から一週間後くらいで、基本手当が振り込まれます。