ハーバード流交渉術
「ハーバード流交渉術」は、1989年の12月に三笠書房から出版されたロジャー・フィッシャーさんの本です。
「ハーバード大学交渉学研究所のメイン・スタッフが開発・構築した交渉術の決定版」というだけあって、とても評価が高く、書かれてから20年以上は経つ本なのに、学ぶところが多い本だと思います。
狡賢い駆け引きのテクニックを期待すると、期待はずれに終わるかもしれません。
なにしろ、「このハーバード流交渉術」は、20年以上前に、「win-win」型の交渉を説明している本なのです。
交渉術について知りたい、学びたいという人は、まず、この本を読んでみるといいでしょう。
きっと、交渉に対してのイメージが変わります。
ちなみに、ロジャー・フィッシャーさんは、2006年の6月に、「新ハーバード流交渉術 論理と感情をどう生かすか(講談社)」という本も出版していますから、合わせて読むのもオススメです。
ハーバード流交渉術の本としては、他にも、デービッド・A・ラックスさん、ジェームズ・K・セベニウスさん共著の「最新ハーバード流3D交渉術」やウィリアム・ユーリーさん著の「最強 ハーバード流交渉術―仕事が100倍うまくいくNoの言い方」、ハーバード・マネジメント・アップデート編集部とハーバード・マネジメント・コミュニケーション・レター編集部共著の「ハーバード・ビジネススキル講座 交渉力」などがあります。
どれも読み応えのある本なので、楽しみながら交渉術を学ぶというよりは、真剣に勉強するという感じかもしれません。
交渉とは
交渉とは、複数の個人(もしくは、団体)が話し合いで、問題解決のための合意点を探す過程のことをいいます。
交渉は、対面で行われることも多いですが、電話やFAX、インターネット通話やメールを使って行うこともよくあるようです。
例えば、電気店で、「もうちょっと値下げしてくれないか?」と持ちかけて、ポイントをサービスしてもらったり、値下げしてもらうのも交渉ですし、労働組合が経営者側に賃上げの要求書を提出して話し合うのは賃上げ交渉と呼びます。
交渉はビジネスシーンだけでなく、日常生活にも溢れています。
交渉の落としどころ(合意点)としては、最近よくいわれる「win-win(ウィンウィン。
自分にも相手にもメリットがある状態)」、「win-lose(自分だけが利益を得る)」、「lose-win(相手だけが利益を得る。
相手に利益を譲る)」、「lose-lose(自分も相手も損をする)」、「give-and-take(与える代わりに見返りを得る)」、「give-and-given(相手に与え、相手からも与えられる)」などがあるでしょう。
弁護士で大阪府知事の橋本 徹さんは、その著書「最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術―かけひきで絶対負けない実戦テクニック72」で、交渉について、「交渉とは不満足の分配作業だ。
」、「交渉とは相手側だけでなく、味方の決定権者に対しても細心の注意を払って進めていく。
」と述べています。
交渉力養成講座
交渉力養成講座は、1日~3日くらいの割と短時間で学べるカリキュラムを組んでいるビジネススクールが多いようです。
費用としては、1日の交渉力養成講座で15,000円~35,000円くらいがおおよその相場。
そんなに安くはないと思いますが、すぐに定員が埋まる人気講座なのです。
それだけニーズが高いのでしょう。
通学式の交渉力養成講座に通うメリットは、なんといっても、ロールプレイングによる実習ができること。
理論だけではどうしても身につきづらいですから、実習できる機会は貴重ですよね。
ところで、交渉アナリストという資格があるのをご存知でしょうか?交渉アナリストは、ビジネスにおける交渉力を証明する民間資格(NPO法人日本交渉学会が認定)で、履歴書に書ける資格として、交渉アナリスト2級、交渉アナリスト補、交渉アナリスト1級があります。
交渉アナリスト2級を取得するためには、38,000円(税込)の教材を購入して、三冊のテキストを二ヶ月に一冊の割合で学んで、添削レポートを提出し、一回の得点が60点以上、三回合計200点以上で合格です。
交渉アナリスト補は、交渉アナリスト2級を取得した上で、2009年11月から実施される交渉アナリスト認定実技研修を終了すると取得できます。
交渉アナリスト1級は、この両方の資格を取得し、課題レポート、ケース分析テスト、認定面接に合格すると取得できるそうです。
交渉術を体系的に学ぶことができますし、目標があるとやる気が出る人にはいいと思います。