交渉力
交渉力は仕事でもプライベートでも、なくてはならないスキルです。
ところが、日本では成人するまでに交渉力を育てるような教育を受ける機会が少ないため、交渉力がない人も少なくありません。
交渉力は後天的に身につけることのできる能力です。
自分には交渉力がないなあと思ったら、積極的に交渉力を身につけられるように努力しましょう。
まずは、自分にどのくらい交渉力があるのか、「交渉力テスト」を使って調べてみてください。
この交渉力テストは、東京大学公共政策大学院特任准教授の松浦 正浩さんのサイト「交渉学と合意形成」で行うことができます。
他にも、交渉学講座や交渉についてのコラム、用語集など、勉強になるコンテンツがたくさんあるので、オススメのサイトです。
さて、交渉力テストで自分の交渉力がどんなものか自覚したところで、交渉力の勉強方法ですが、最も手軽で安上がりなのは、交渉力に関する書籍を買って独学で学ぶこと。
通信講座やeラーニングの交渉力講座で勉強するという方法もあります。
一日や二日で学ぶことのできる交渉力向上セミナーや講座もあるので、参加してみるのもいいかもしれません。
交渉力を向上させるための知識・理論を身につけたら、日常生活で練習しましょう。
日常生活でも、交渉の機会はたくさんありますので、簡単なところから試して、徐々に仕事でも使っていくようにすると、少しずつ交渉力が向上していくと思います。
交渉力のある人は、話し方や相手に与える印象でさえ、交渉に有利になるように工夫するのだとか。
そこまでできるようになれば、交渉の達人レベルかもしれませんね。
交渉人
交渉人とは、人質救出作戦などで犯人と交渉する警察や政府の担当要員をいいます。
国連専門職員にも交渉人がいて、世界平和維持のために、国際機関や首相などを相手に交渉を行うそうです。
交渉人は英語でいうとネゴシエイターで、アメリカのFBIの「人質救出プログラム」が発祥だといわれています。
日本では、2005年から専門の交渉人がおかれました。
1997年に公開された「ネゴシエイター(エディ・マーフィーさん主演)や1998年に公開された「交渉人(サミュエル・L・ジャクソンさん主演)」も有名ですが、日本で交渉人という言葉の認知度を一気に上げたのは、2005年に公開された「交渉人 真下正義(ユースケ・サンタマリアさん主演)」でしょう。
人気シリーズのスピンオフだけあって、大ヒットして、交渉人という言葉を一般人にもなじみのある単語にしました。
交渉人には、話術や観察力、心理学、行動科学、犯罪学の知識などが必要とされ、武力を行使できないため、危険も伴います。
それだけに、緊迫感のあるストーリーが作りやすいのか、交渉人をテーマにした映画やドラマ、漫画、ゲームなどがたくさん作られているようです。
最近のものでは、2008年放送の「交渉人~THE NEGOTIATOR~(米倉涼子さん主演)」が人気で、スペシャル版が放送されたり、第2シリーズの放送や映画化も決まっているのだとか。
ちょっと変わったところでは、2007年にディースリー・パブリッシャーから発売された「THE 交渉人(DSソフト)」や2009年にSCEJソフトウェアから発売された「銃声とダイヤモンド(PSPソフト)」もオススメです。
交渉術
交渉術を身につけるためには、交渉について知ることが大切です。
アメリカでは交渉学という学問になっているほど、研究されているテーマですから、まずは、交渉について学ぶのが交渉術を会得する近道だと思います。
交渉の際のポイントとして大切なのは、雰囲気や感情に惑わされず、「論理」的に行う、状況の把握や目的の理解、目標の設定、最初の提案がダメだった時や相手の提案が飲めない時の代替案、他の選択肢などの「準備」、交渉は単なる駆け引きではなく、なるべくお互いが満足できるような「協働(力を合わせて活動する)」だという意識です。
交渉の際に使える理論の中には、MET理論というものがあります。
Mはメリット、Eは感情、Tは脅しを意味し、この三つを上手く組み合わせることで、交渉を有利に進めるのです。
「メリット」は自分の提案を受け入れる利点をいろいろな角度から説明します。
「感情」は自分が感情的になるのではなく、相手の感情に訴えるという手法です。
「これ以上値引きしたら、倒産しちゃいます~。
」とか、「これだけ値引きするのは、○○さんだけですから、よそではいわないでくださいね!」みたいなセリフで相手の感情を揺さぶります。
「脅し」というとイメージ悪いですが、「今、注文するとこんな特典がつきます」など、期間限定の利点をちらつかせることです。
○○名限定とか、いついつまでの限定価格なんていうのも、この脅しに入ります。
交渉人に心理学や行動科学などの知識が必要なように、高度な交渉術を身につけるには、心理学や行動科学、話術などが必要なのです。