自己都合退職と会社都合退職の違い
自己都合で会社を辞めるか、会社都合で会社を辞めるかで変わってくるのは、そのものズバリ失業手当てに関してです。
自己都合では、退職前の2年間に雇用保険に12ヶ月加入していないと失業手当を受給出来ません。
それに対して会社都合の場合では、退職前の1年間に雇用保険に6ヶ月加入していれば、失業手当の受給資格を得る事が出来るのです。
また、失業手当の支給時期にも差が出てきます。
自己都合の場合では、ハローワークで手続きしてから3ヶ月の給付制限が設けられ、その間は失業手当の支給はありません。
それに対して会社都合の場合では、翌月から失業手当の支給が開始されるのです。
加えて、失業手当の所定の給付日数にも差があります。
自己都合の場合では、雇用保険の加入期間が10年未満であれば90日、10年以上20年未満であれば120日、20年以上で150日です。
それに対して会社都合の場合では、雇用保険の加入期間と年齢によって給付日数が決まるシステムになっており、最長で330日に亘って支給されるケースもあります。
つまり、自己都合の退職なのか会社都合の退職なのかによって、失業手当の支給条件にはかなりの違いがあると言う事です。
しかしながら、会社都合の退職の方が優遇されているのは、当然と言えば当然の事なのでしょう。
ですので、次の就職先が決まっておらず、あなたが失業手当てを受給する予定であれば、退職理由が会社都合になるようにした方が受給金額の面では有利になります。
会社を辞める時の手続き
会社を辞める事が決まったら、まずは返却すべきものはきちんと返却しておきましょう。
制服や社員証、名刺、健康保険被保険者証も大切な返却物です。
家族が居れば家族の分も忘れないように返却しましょう。
次に会社から受け取る物もあります。
雇用保険被保険者証、年金手帳。
離職票はハローワークを通してからなので、退職日には貰えないのが普通です。
会社が加入していたら、厚生年金基金加入員証も受け取ります。
国民健康保険に加入する場合には、健康保険資格喪失証明書も必要となりますが、これは離職票や退職証明書でも代用できます。
源泉徴収票は会社を辞める際に発行してくれる場合もありますが、年末に送付される場合もあります。
次の会社での年末調整や確定申告の際に必要ですので、きちんと確認しておきましょう。
交通費の清算が終わっていなければ、忘れずに清算して下さい。
会社を辞めた後、国民年金に加入する場合には、早目に役所へ行って手続きしましょう。
国民年金には免除制度がありますので、次の就職先が決まっていなければ相談してみて下さい。
健康保険は、今までの会社の健康保険を任意継続するか、国民健康保険に新たに加入するかあなた自身で選べます。
任意継続の場合には2年間までですが、今までの会社の福利厚生が利用出来るメリットがあります。
まずは保険料を計算し、あなたにとって有利な方へ加入する方が良いでしょう。
ただし、どちらの保険に加入する場合にも2週間以内に手続きしなければならないので、注意が必要です。
会社を辞めた時のデメリット
会社を辞めるデメリットは多々あります。
正社員であれば尚更でしょう。
まずは、なんと言ってもあなたの将来の年金です。
御存知なかったかもしれませんが、会社員が加入している「厚生年金」は会社が半分の金額を負担してくれています。
あなたの給料明細を見れば判ると思いますが、かなりの額が年金として引かれているはずです。
それと同じ金額を、会社があなたの年金として負担してくれているのです。
また、あなたがもし結婚していて専業主婦の奥様がいらっしゃれば、その奥様の分の年金は支払わなくても良いシステムになっています。
正社員を辞めて国民年金になってしまえば、このような恩恵は受けられない事を認識しておいて下さいね。
次に会社の健康保険です。
会社の健康保険もまた、厚生年金のように会社が保険料の半分の金額を負担してくれています。
また、あなたが病気やケガで仕事が出来なくなった場合に現在の賃金の約6割を保証してくれる、傷病手当金制度なども付いています。
これは、国民健康保険にはない制度なのです。
この正社員時代の厚生年金と健康保険が、会社を辞めた際に国民年金と国民健康保険に変わった場合、支払う自己負担額はかなりの金額になりますので、それなりの覚悟が必要です。
また、年内に新しい会社に就職出来なかった場合、年度末にあなた自身で確定申告を行わなければなりません。
何れにせよ、次のステップをあなた自身できちんと考え、会社は計画的に辞める事にこした事はありません。