農業者年金
農業者年金は、独立行政法人農業者年金基金により運営されている農業従事者のための公的年金制度です。
独立行政法人農業者年金基金のサイトには、アニメでわかる農業者年金などのコンテンツがあります。
農業者年金の特徴は、60歳未満の国民年金の第一号被保険者で、年間六十日以上農業に従事していれば誰でも加入でき、月額二万円から六万七千円まで自由に保険料を選択できる積立方式です。
認定農業者等一定の要件を備えた意欲ある担い手には、保険料の二割から五割の国庫助成があります。
年金額が国民年金のように加入者や受給者の数に左右されません。
最大八十万四千円の社会保険控除が受けられ、支払われる年金にも公的年金控除が適応されるなど、税制面でも大きく優遇されています。
農業者年金に加入していると、所得税や住民税の節税にもなるようです。
八十歳までの保証がついた終身年金で、もし、加入者、もしくは、受給者が八十歳より前に亡くなった場合は、八十歳までに受け取るはずだった金額が死亡一時金として遺族に支給されます。
加入の申込みや相談は近くにある農業協同組合(JA)や農業委員会か、独立行政法人農業者年金基金まで直接問い合わせるといいでしょう。
農地を持っていない農業者や家族農業従事者も加入できます。
農業者年金がこれほど手厚くなっているのは、農業従事者の老後を保証することで、農業の担い手を確保するという目的があるからです(農業者年金の愛称は、「担い手積立年金」)。
農業体験
農業体験には、近年流行しているグリーンツーリズム(農場で休暇を過ごすこと。
住民との交流や農業体験、自然とのふれあいなどを目的としている)と農業体験実習生募集などとして農村側が労働力を得る目的で行っているものがあります。
グリーンツーリズム的な農業体験は、参加者が何らかの金銭的負担をすることが多く、農作業などをしてもそれに対する金銭的対価は支払われないでしょう。
農業体験をするツアーですから、農作業は一種のアトラクション的な感じです。
都会では希薄になっている人間同士のふれあいを味わえたり、子供に対する食育効果もあるので、宿泊費や交通費などをかけても参加したいという人が増えています。
一方、農業体験実習生募集は、スクールという形式をとっている場合もありますが、何らかの手当が出ることが多いようです(「実習生」なので大抵は雀の涙ほどの金額ですが)。
これらの農業体験実習生募集は、農村の花嫁募集の隠れ蓑になっていることがあります。
参加者を独身女性に限定しているような農業体験実習生募集への応募は慎重に行った方がいいでしょう。
参加者の中には、望んでいたような農業体験は全くできず、セクハラで心に傷を負って帰ってきたという女性もいます。
自然豊かな農村で農業体験してみませんかという誘い文句で、結婚する気がない女性を騙すのは卑怯ですよね。
正々堂々とお嫁さんを募集している男性の顔写真やプロフィールを掲載して、応募者を募るべきだと思います。
農業委員会
農業委員会とは、地方自治法の第180条の5-3により、市町村に設置が義務付けられている行政機関です。
公職選挙法を準用した選挙により、農業者の中から選ばれた委員と、それよりも人数の少ない選任による委員で構成されている合議体の行政委員会になります。
農業委員会は、農業や農業者を代表する公的に認められた唯一の機関です。
「農地の権利移動や農業経営の合理化など農業振興についての対策を推進すること」、「農業・農業者に関する問題について、意見の公表や市町村長などに建議すること」、「審問に応じて答申する」などの役割を持っています。
農業委員会の具体的な仕事としては、「農地の権利移動の許認可」、「農地を農地以外に転用する時の許認可」、「農地の問題、農地の税制問題についての相談」、「農業振興及び農業後継者(担い手)の育成」、「小作地に関すること(賃貸借契約・解約等)」、「農地パトロールの実施(無断転用・不耕作地の指導)」、「農業施策に関する建議・答申」、「農業者年金に関すること」などがあり、この仕事内容からも、選挙でみんなに選ばれた人や推薦されるような人でなければ、務まらないことがわかるでしょう。
農業委員会の農業委員は、選挙で選出された委員の任期が三年、選任による委員の任期は選挙で選出された委員の任期満了の日、もしくは、推薦団体の理事などでなくなった日までと定められています。